ウォーレン・バフェットが次に買うのはどこだ?

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ウォーレン・バフェットが次に買うのはどこだ?

ウォーレン・バフェットが来日し、すでに投資している5大商社株を買い増しするという発言をしたが、さらに商社株以外にも日本企業の株式を物色しているというので、バフェット・ファンとしてはどこの会社を買うんだろうと想像を巡らせずにはいられない。

そこで、自分自身で大型株を買う気は全くないのだが、興味本位でバフェット氏の買いそうな銘柄をリストアップしてみた(結果は下の方に有りマス)。

まず、バークシャー・ハザウェイにとって意味のある投資となるためには、少なくとも数百億円を注ぎ込めるような銘柄でなくてはダメだ。そこで、バークシャーが投資した5大商社のうち最も小粒な住友商事(時価総額3兆円)を基準として、これ以上時価総額の大きな会社に絞り込むことにする。

この段階で51社まで絞り込む事ができた。さすが時価総額トップの51社だけあって、普段スモールキャップやマイクロキャップ企業を見ている際に出会うような低クオリティな会社は見当たらない。

バフェット氏好みの銘柄は?

ここからさらにバフェット氏の好む特徴をもった企業に絞り込んでいく。

彼が好むのは、大雑把に言えば以下のような会社だ。

  • 将来の業績の予測がしやすい
  • プライシングパワーがある
  • ドミナントプレイヤーである
  • 優秀なマネジメントによって経営されている
  • 価値に比べて価格が安い

まずは価格でざっと絞り込んでみる。実際に価格が安いか高いかは成長力、資産、人材、などあらゆる点を考慮しなければ言えないのだが、興味本位の作業にそこまで時間を割くことはできないため、「P/Eレシオが25倍以上の銘柄は割安ではない」と割り切ることにする。

すると14社が脱落した。

次に、将来の業績が予測しにくい会社をふるい落とす。これは各社の有報をスキミングして大体のビジネスモデルを把握して主観的に判断する事にした。なので不正確であることもあるし、反論もあると思うがご了承願いたい。

ここで業績の予測が難しいと判断されたのはトヨタ、ホンダといった自動車製造企業、ヒット商品の有無で業績が左右される製薬会社、そして任天堂も20年後のゲーム業界の予測がつかないことから脱落組に含めた。

さらに、価格競争力のない企業も落としていく。この基準をクリアできなかったのはテレコムサービスというコモディティを扱うソフトバンク(テレコムの方)やKDDI、そして富士通やゆうちょ銀行などだ(あくまで個人的見解です)。

また、バフェット氏は、ビジネスクオリティにしろ期待リターンにしろ何か「突き抜けた」ものを持っている会社を好むと思ったので、めちゃくちゃ安い訳でもなく、ずば抜けてビジネスのクオリティが高い訳でもない銘柄はふるい落とした。これに該当したのは例えばコマツ、ブリヂストン、東京海上ホールディングスなどだ。ただし、それはこれらが今現在の価格では投資対象としての魅力に欠けるというだけで、ビジネスのクオリティが特別劣っている訳ではない。

最後に、バフェット氏やマンガー氏が投資をしないと思われるタバコ会社、組織構造が複雑すぎたり、手掛けるビジネスの幅が広すぎる会社、例えば日立グループ、などを除外した。

ここまでで24社が残ったが、このうち5社はすでに投資をしている5大商社なので、実質的には19社が残ったことになる。

これらのうち、筆者の主観では信越化学、NTT、リクルートが特に魅力的に思えた。

信越化学は塩ビ、シリコンウエハー、合成石英などいくつかの分野で世界ナンバーワンのシェアを持っており、それらの分野は今後20年において間違いなく伸びていくと思われる。現在の株価も成長性を加味すればそこまで高くないのではないだろうか。

NTTは安定した既存事業にプラスして、IOWNといった最先端の技術も開発しており、成長の可能性も期待できる。同社で経験を積んだ後にGAFAへ転職する従業員が多いことからGAFA予備校などと揶揄される事もあるが、それは同社のクオリティの高さの裏返しでもある。同社は人材流出に対して十分問題意識を持っており、この点についてはいずれ解決されるはずだ。さらに、同社のプロジェクトは大規模なものが多く、バークシャーが保有する商社との協業の可能性も十分あり得る。この1年で株価が倍近くに値上がりしてしまったので買いづらいが、バフェット氏であれば間違いなく興味を惹かれる銘柄だろう。

リクルートは求人サイトのIndeed、企業の口コミサイトGlass Door、そして日本ではリクナビといったポータルを有している。どれもそれぞれのニッチでナンバーワンのポジションにある。さらに、住宅情報、ホテルブッキング、サロン予約といった分野でも、SUUMO、Jalan、Hotpepper Beautyといったダントツナンバーワンのポータルを運営している。ROIC、ROEも高く、ビジネスクオリティは申し分ない。価格も2021年の末に比べれば半値ほどになっており、だいぶ買いやすくなってきている印象を受ける。

果たしてこれらの銘柄をバフェット氏は買うのか。自分ではまず買わない銘柄だが、一ファンとして、もしも予想が当たったらすごく嬉しい。

株式保有状況:

記事中で名前を挙げた企業のうち、筆者が保有している銘柄はありません。

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